
今のところ、オンラインカジノは日本では合法ではなく、違法になります。
ただ、その一方でいわゆるカジノ法案の影響でオンラインカジノも合法になるのではないかという意見もあります。
実際に、カジノ法案によってオンラインカジノの法整備が進み、合法となる可能性はゼロではありません。
目次
今の日本ではオンラインカジノは違法
コマーシャルなどでもお馴染みのオンラインカジノなのですが、今の日本では違法です。
消費者庁や警察庁も以下のように情報を発信しています。
消費者庁の見解
日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪です!
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪になります。
実際にオンラインカジノを客として利用した者が賭博罪で検挙された事例もあります。
犯罪になることを知らなかったでは済まされません。
賭博は犯罪です。絶対にやめましょう。
警察庁の見解
オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!
オンラインカジノは、海外の事業者が合法的に運営しているものであれば、日本国内で、個人的にこれを利用しても犯罪にならないと考えていませんか?
海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。
実際にオンラインカジノを利用した賭客を賭博罪で検挙した事例もあります。
賭博は犯罪です。絶対にやめましょう。
賭博罪 | 賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料 |
常習賭博罪 | 常習として賭博をした者は、3年以下の懲役 |
ちなみに、警察庁のほうではオンラインカジノ関連の検挙事例や取締り状況についても以下のように情報を公開しています。
- 日本国内の自宅において、自宅に設置されたパーソナルコンピューターを使用して、海外の会社が運営するオンラインカジノサイトにインターネット接続し、同サイトのディーラーを相手方として賭博をした賭客を単純賭博罪で検挙
- 日本国内の賭客を相手方として、日本国内の賭客の自宅等に設置されたパーソナルコンピューターから、海外に設置されたサーバー上のオンラインカジノサイトにアクセスさせ、金銭を賭けさせていた者を常習賭博、賭客を単純賭博罪で検挙
オンラインカジノに係る賭博事犯の取締り状況
令和元年中 | 18件 |
令和2年中 | 16件 |
令和3年中 | 16件 |
※いずれも賭博店においておこなわれたもの
専門家でも意見がわかれる海外のオンラインカジノ
日本では賭博行為が禁止されていますので、オンラインカジノを日本国内で合法に運営することはできません。
仮に今、日本で運営されているオンラインカジノがあったとしたらそれは間違いなく違法ですし、そういったオンラインカジノの運営会社はもちろん、そのオンラインカジノのユーザーも罪に問われます。
オンラインカジノの運営会社 | 賭博開帳図利罪(刑法186条2項,3月以上5年以下の懲役) |
オンラインカジノのユーザー | 単純賭博罪(刑法185条,50万円以下の罰金または科料) |
オンラインカジノの常習的ユーザー | 常習賭博罪(刑法186条1項,3年以下の懲役) |
一方で、海外に拠点を構えている運営会社が日本人向けにオンラインカジノのサービスを提供しているという場合もあります。
日本国内で運営をおこなっているオンラインカジノであれば先の賭博開帳図利罪が成立しますが、海外の運営会社によるオンラインカジノになってくると賭博開帳図利罪は成立しません。
というよりも、日本が海外の運営会社にアプローチするのはとても難しいのです。
ただし、運営会社に賭博開帳図利罪が成立しないからといって、ユーザーにも単純賭博罪や常習賭博罪が成立しないというわけではありません。
それとこれとはまた別問題になってくるのです。
海外の運営会社によるオンラインカジノを利用している場合、そのユーザーに対しては単純賭博罪や常習賭博罪が成立する可能性があります。
日本の単純賭博罪や常習賭博罪はあくまでも賭博をした者を処罰するものだからです。
海外のオンラインカジノを利用することは賭博をしたこととして見なされます。
海外のオンラインカジノに関する事例
実は海外のオンラインカジノに関しては、ユーザーが摘発された事例があります。
その事例で合法なのかどうかを判断するケースも多いのですが、正直なところ、過去の事例に関しても合法であると断言できるほどの材料にはなりません。
海外のオンラインカジノを利用していたユーザーが摘発された事例では、略式罰金になったものもありますし、不起訴になったものもあります。
略式罰金というのは手続きを簡略化しているだけで、実際には裁判官が有罪という判断を下したという意味合いになります。
裁判官は仮に検察官が略式罰金を求めたとしてもその犯罪が成立するかどうかについて疑わしい部分があれば、略式罰金にはせず正式裁判にするからです。
よって、略式命令は前科となり、略式罰金になったことこそが「裁判官が海外オンラインカジノの利用を単純賭博罪もしくは常習賭博罪にあたると判断した」ことの一種の証明になるわけです。
不起訴になった例があるから合法とは言えないのです。
オンラインカジノが今後、合法になっていくのかを左右するのはカジノ法案?
オンラインカジノを堂々と利用していくためにも、早く合法になってほしいと思っている方は多いでしょう。
オンラインカジノが今後、合法になっていくのかを左右するひとつの要素がカジノ法案です。
カジノ法案というのは「統合型リゾート(IR)整備推進法案」のことで、中にはカジノ法案によって日本にばんばんカジノ施設ができて、カジノが合法になると考えている方もいるかもしれません。
ただ、これは大きなリゾート施設を作るにあたって、その中にカジノ施設も含まれるだけの話です。
それでもカジノができるようになるわけですから、日本にとっては大きな変化になるでしょう。
新型コロナウイルスの感染拡大によっていろいろなところに遅れは出ているものの、カジノ法案自体は少しずつ確実に進んでいます。
もともとは2020年の東京オリンピックに合わせてオープンを目指していたものなので、一時的に足踏み状態になって時期がずれ込んでしまっても進めていくことには変わりないかと思います。
カジノがオープンすれば、オンラインカジノの法整備もせざるを得ない状況に
今の日本ではオンラインカジノは合法とは言えませんが、リゾート施設の一部としてであってもカジノがオープンすれば「リアルのカジノはよくて、オンラインカジノはなぜダメなんだ!」とオンラインカジノ勢からの反発が出てくるはずです。
さすがにその程度のことは国も当然予想できるでしょうから、カジノのオープンに伴ってオンラインカジノのほうでも法整備をおこなっていくはずです。
オンラインカジノというものが登場することが予想されていなかった時代の法律でオンラインカジノを判断しようとしているからこそ、専門家でも意見がわかれるような現状になっています。
だからこそ、「絶対に合法ではないとまでは言えない」「絶対に合法ではない」など玉虫色の解釈ができてしまうのです。
今はいろいろな情報を照らし合わせて考えてみても合法ではないと解釈するほうが自然なオンラインカジノではありますが、今後、合法となり堂々とできるようになる可能性はゼロではありません。